11月半ばのある日、突然スペースデザイン科の主任、渡部先生に声を掛けられました。
「授業取材を兼ねて、オブザーバーで参加して!」
軽い感じで言われたので、内容もあまり分からず「講評会の取材かな?」と思いながらカメラ片手に3階のスペースデザイン科の教室にあがった広報課スタッフ。すでに1年生から3年生までスペースデザイン科の生徒全員が集合していて、まさにプレゼンが始まるところでした。「デザインプランニング」という授業で、担当教員は日野高先生。
そして始まったプレゼンは何と、「ニューコンセプトカレー」。
え・・・この講評会のオブザーバーって・・・まさかお毒味役!?事態を把握してスタッフが青くなるも、説明は始まって行きます。まず、なぜ「デザインプランニング」の授業で「ニューコンセプトカレー」の企画なのかについて日野先生から。
卒業して社会に出て仕事をしていく中で直面するのは、問題が発生した時それについてどう対処するのか、という事がほとんどです。もちろんそれは大事な事ではあるのですが、そればかりをしていると、ある日突然
「新しい企画を考えて!」
と言われてもどうしていいか分からなくなってしまう。そんな時に、ちょっとでも「新しい事を考える考え方」を勉強しておくと、対処する事が出来る、そんな「考え方」を学ぶ授業、という事でした。
じゃあ具体的にどうやるか。
まずは学生はグループに分かれてスーパーに行きます。そこで自分が知らない食材をリサーチして来ます。この段階では学生には何をするのか、一切知らされていません。戻って来たら、その知らない食材について分類、分析をして2軸表を作成して行きます。その考察の中から2軸を決定。そこでようやくテーマ発表。
「ニューコンセプトカレー」
その2軸表を埋めて行く中で、必ず空間が出来ます。その空間こそが、思考の隙間、「ニューコンセプト」。その隙間を目指してプランニングをしていくのです。
実はこの授業、最初から「カレー」というテーマを発表してしまうと、既存のものにとらわれてしまうので、「ニュー」なものは出て来ないんだそうです。「コンセプト」すらゼロから考える。それによって初めて「新しい何か」が考え出されるのです!
う〜ん、凄い。凄いんですが・・・目の前でプレゼンされるカレーが凄い。何が凄い、って、そう「新しすぎる」んです!?
1年生から3年生まで学年をまたいで組まれたチームから出て来るカレーは、団子状にしたご飯にその日の気分で様々なスパイスを振りかけて食べるものから、何と100倍の味!?のカレー飴!スナックのように食べられる甘さが引き立つお菓子のようなカレーや、ペットと食べるカレーもあれば、韓国からの留学生とのチームはビビンバにかけて食べるビビンバカレー?まで。
一番強烈だったのが、全てに関して100倍を目指したカレー飴でした。強烈な辛さ、甘さ、スパイシーさなどが渾然一体となって舌を直撃。先生と広報課のスタッフで毒味をするのを学生達は好奇心いっぱいの表情で見つめています。かなり強烈な味でしたが、不思議な事に少ししか食べなくても満腹感があり、
「意外にダイエットに効くんじゃない!?」
なんて意見も。
ペットと一緒に食べられるペットフードは、動物が食べて良い香辛料や食材について徹底的にリサーチを重ねた上で作られており、素材の甘みやうまみが生きていて
「お!?旨いじゃん!!」
という声も。ペットと一緒に食べたい、というコンセプトに日野先生もいいね、との反応。大の猫好きの渡部先生からは
「猫用も作ってよ〜。」
の声も。(注:ペットと同じものを食べる、というのはペットの躾上、あまり良く無い事だ、という話しも聞きます。ペットが人間のものを全て自分も食べられる、と解釈してしまうからだそうです。ただ、ここではあくまでもニューコンセプトのカレーという考え方の勉強なので、実際の商品化を設定している訳では無いので、アイディアが新しい事が重要なのです。)
最後に出て来た「ビビンバカレー」は商品としてもとても美味しく、最後にちゃんと普通に食べられるものが出て来て、採点側もほっとしていたりして!?
年齢も、男女も混ぜたグループでの企画なので、話し合いも難しい場面があったかとも思うのですが、苦労が見事に結晶した見応えのあるプレゼンテーションでした。その後はみんなで試食会。わいわいと盛り上がる中、意外にお腹は無事だったな、なんてほっとしながら広報スタッフは引き上げて来たのでした。
「ニューコンセプトを考える、考え方」。
何年後に必要になるかはまだ分かりませんが、きっと将来必ずや役に立つ大切な礎となる事でしょう!皆さんおつかれさまでした。