【在校生インタビュー】岡本えいさん 「生涯、絵を描いて生きていくために。」

東京人形町にあるギャラリー「人形町Vision’s」で視覚デザインコース3年生 岡本えいさんが個展「BOOK!FASHION!MUSIC!」を開催。
ギャラリーの壁には大きさも、素材もさまざまな色とりどりのイラスト作品がずらりと並びます。
岡本さんは、京都から本校に入学。入学当初からギャラリーへの展示、本校教員を通して卒業生のイラストレーター寺田克也さんに、直接お仕事に関するインタビューを実現するなど、積極的にアクションを起こしながら、ずっとイラストを描き続けています。
そんな岡本さんに突撃インタビューをしました。
展示会場・外から ギャラリーの外から。

–今回の個展では、光沢紙に印刷されたもの、キャンバス地に印刷されたもの、そしてアナログで描かれた作品と、質感の違う媒体で作品を展示していますが、どういう意図があるのでしょう?
僕は普段デジタルでイラストを描いていますし、今はSNSにイラストを投稿して画面越しに人に見てもらうことも気軽にできる時代です。
なので、個展を開くにあたって考えたのは「画面で見るのと同じ状態」で展示するのでは、お客さんに足を運んでもらう意味がなくなってしまう、ということ。ここに足を運んだから感じられる「質感」を出そうとこの形にしました。

アナログイラスト 下地を塗った板の上にアナログで描かれた作品。

–確かに!「質感」はもちろん、デジタルの画面では限界がある作品の大きさも足を運んだからこそ感じられますね。迫力があります。こちらは映像作品でしょうか?(下写真)
この映像は、イラストの制作過程をタイムラプスで撮影したものです。
「質感」の他にも展示方法について色々と模索しています。

イラスト制作過程の映像展示 映像にはイラスト制作の経過で、採用されなかったモチーフや構図の試行錯誤などが収録されており、イラストが持っていた別の可能性が垣間見られてとても興味深い。

–ずばり、次の目標はありますか?
色々な表現ができるようになりたいです。
すぐにでも作風を決めて売り出したい気持ちはありますが、今は絵柄の引き出しを増やしたいです。

–その理由は?
すぐに売れる絵を描くために、流行りの絵柄だけを描いていたら 流行りが終わった時に仕事がなくなってしまうと思うのです。
生涯、絵を描き続けていくために、どんな依頼にも時代にも対応できるように、絵柄の引き出しを増やしていきたいです。

–挑戦したいモチーフはありますか?
機械や車などのモチーフにも挑戦しています。
このイラストではバイクも描いているのですが、バイクに詳しい人から見た時に「ここがおかしい」という違和感がないように、人に意見をもらって描き直しています。仕事としてこういったモチーフを依頼された時も、対応できるイラストレーターでありたいです。

バイクと女の子のイラスト バイクについては、バイク好きなイラストレーション講師の小沢先生にも意見をもらったそう。

–同級生とはどんな関係でしょう?
同級生は、みんな絵を描くのが好きだし、アサビの授業でグループワークもあって濃い関係を築けました。
時期が迫った今は 、お互いによく就職の話をしています。 僕自身も、まずはデザイン会社に就職して、お客さんのためにイラストレーションとデザインをする経験を積みたいと思っています。
そして、いつか同級生で集まって自分達が見たい作品を、協力して制作できるホームベースのような居場所を作れたらいいな、と考えています。
2019年8月現在

今回、岡本さんに取材をする中で、岡本さんの「イラストを描くのが好きだ」という気持ちをひしひし感じたのはもちろん、イラストを見た人に喜んでもらうにはどうしたらいいか、「イラストで自分ができることは何か」を真摯に考え続けている姿勢に感銘を受けました。
岡本さん、ありがとうございました。
2019/09/03