「大学が面白くなかった」から始まった進路変更
アサビに入学する前は大学に通っていました。ただ、高校生の頃はやりたいことがはっきり決まっておらず、「みんなが進学するから」という感覚で大学へ進学しました。経済系の学部に進んだのですが、入学してみると全く興味を持てませんでした。大学が面白くなくて、4月に入学して6月頃には辞めていたと思います。子どもの頃からイラストや絵を描くことが好きだったので、将来はそういうことを活かした仕事ができたらいいなという気持ちはずっとありました。そこで改めて進路を考えたときに、美術やデザインを学べる学校に進もうと思いました。
アサビは高校時代の進路ガイダンスで知っていました。大学を辞めてから改めて調べてみて、「良さそうだから入ってみよう」という気持ちで入学を決めました。
課題に追われながらも学んだ3年間
入学した当初から視覚デザインコース(VD)に入りたいと思っていて、1年生後期から視覚デザイン基礎を選択してからは、自分のやりたかったグラフィックデザインだけでなく、エディトリアルやイラストなど幅広く学べることがアサビの魅力だと思います。 学生生活自体はすごく充実していて楽しかったです。ただ、課題が多いのが大変でした。現在はアサビで非常勤講師として学生から相談を受けることがあります。「課題が終わらない」「時間をうまく使えない」「周りと比べてしまう」といった話を聞くと、当時の自分も同じことで悩んでいたなと思い出します。
視覚デザインコースの先生方は、厳しさの中に優しさがある先生が多かった印象です。特にコース長だった小林先生は、学生の目線になって話をしてくれました。とても話しやすく、具体的なアドバイスをたくさんいただき、尊敬していました。当時はイラストを専攻していたので、担当の小沢先生にもとてもお世話になりました。
学術造形科目ではシルクスクリーンや絵本工房を選択していました。今でもイベントに出て自分の作品を販売することがあるのですが、シルクスクリーンで制作したり、版画工房を借りて作品をつくったりすることもあります。学生時代に学んだことが今でも活きていると感じています。 振り返ると、アサビでの3年間はデザインの技術だけでなく、デザインに至るまでの基礎づくりがしっかりできた時間だったと思います。
フリーランスとして働く今、学生に伝えたいこと
卒業後はデザイナーとしてデザイン会社で経験を積みました。その後、自分に合った働き方を考えるようになり、現在はフリーランスとして活動しています。 以前の仕事で築いたつながりから継続して依頼をいただきながら、現在は複数の企業と業務委託契約を結び、主にWebサイト制作を中心に仕事をしています。そのほかにもロゴ制作やページもののデザイン、パンフレットの挿絵などを手がけています。 ロゴ制作や書籍関係の仕事の中には、アサビの同期が働いている会社から依頼をいただくこともあります。卒業してからもつながりが続いているのは嬉しいですね。私自身、今デザイナーとして働けてよかったと感じています。ただ、デザイナーに向いていたというよりは、当時から一般職と呼ばれるような働き方は明らかに向いていないと感じていました。
個人的には、苦手なことばかりに時間を使わなくてもいいと思っています。もちろん学生のうちは課題などで自分の苦手なことにも向き合う必要がありますが、それ以上に好きなことや、やりたいと思えることに時間を使ってほしいです。 実際に仕事になると、楽しくないことや大変なこともたくさんあります。だからこそ学生のうちは、自分が楽しいと思えることに時間を使って、前向きな気持ちで制作してほしいと思います。 デザイナーのキャリアには、ディレクターやマネジメントなどさまざまな道がありますが、私はそういう立場になるよりも、自分で手を動かしてものをつくることが好きです。 これからも、自分の手でものづくりを続けていきたいと思っています。

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