地域連携事業「北塩原村アートツーリズム」で
アート学科が制作合宿

2026年6月5日から7日にかけて、アート学科の絵画表現コース(FA)とイメージクリエイションコース(IC)による「北塩原村アートツーリズム」のための、2泊3日の合宿を行いました。

「北塩原村アートツーリズム」は、「まるごと保養地協定」を締結している杉並区と福島県北塩原村、阿佐ヶ谷美術専門学校による昨年度から続く連携事業です。今年度も、北塩原村の豊かな自然や文化、人々との交流を通して地域の魅力に触れながら、作品制作につながるフィールドワークを行いました。

1日目:裏磐梯の自然と歴史を学ぶ
一行が北塩原村に到着したのは午後。まずは裏磐梯最大の湖である桧原湖を観光船で巡り、磐梯山の噴火によって形成された島々や岩礁群を眺めながら、雄大な自然景観を体感しました。

続いて訪れた磐梯山噴火記念館では、館長の佐藤公さんによる特別講義「磐梯山と絵画」を受講。磐梯山の成り立ちや噴火の歴史や、この地域の風景が芸術表現に与えてきた影響について学びました。講義後には学生やスタッフから多くの質問が寄せられ、終了時間ぎりぎりまで丁寧にご対応いただきました。

宿泊先は桧原湖畔の民宿ひばら。夕食後は温泉を楽しんだり、学生同士で交流したりと、それぞれがゆったりとした時間を過ごしました。
2日目:コースごとの活動と地域交流
2日目はコースごとに分かれて活動を行いました。

絵画表現コース(FA)は、北塩原村の自然を題材に屋外ドローイングに取り組みました。平面絵画制作に向けたリサーチとして、現地の植物や建造物、湖、生き物、風景など、実際に目にした対象を観察しながら描写しました。

合宿期間中には、1人30枚のドローイングを制作し、最終日に提出する課題が課されました。そのうち1枚以上は、磐梯山を題材に描くことが条件です。
学生たちは教室を離れて自然と向き合うことで、新たな発見や表現の可能性を探る機会となりました。
絵画表現コース(FA)の参加者5名が制作した計150枚のドローイングは、後日展示を予定しています。

イメージクリエイションコース(IC)は、北塩原村自然環境活用センターにて、地域の子どもたちを対象にワークショップを開催しました。

ワークショップでは、これまで杉並区で実施してきた子ども向けプログラムをアレンジし、泡と絵の具を使った表現を取り入れながら、参加した25名の子どもたちと一緒にオリジナルのシールセットを制作しました。
学生たちは、自由な発想で制作を楽しむ子どもたちをサポートしながら交流を深め、ものづくりの楽しさを共有していました。

午後は「赤べこの絵付け体験コース」と「五色沼ガイドコース」に分かれて活動を行いました。

赤べこの絵付け体験チームは、会津地方を代表する郷土玩具である赤べこに絵付けを。キャラクターをモチーフにした作品や独自のコンセプトを取り入れた作品など、それぞれの個性が表れた赤べこが完成しました。
五色沼ガイドコースでは、ガイドの方の案内を受けながらトレッキング。森の成り立ちや植生、五色沼の成り立ちなどを学びながら散策し、北塩原村の自然環境への理解を深めました。トレッキング後には、売店でソフトクリームを味わう学生の姿も見られました。

夕食は杉並区および北塩原村の関係者の方々との交流会を兼ねたバーベキュー。宿の裏庭で食事を囲みながら親睦を深めました。
その後は花火を楽しんだり、温泉で疲れを癒したり、課題制作に取り組んだりと、それぞれが思い思いの時間を過ごしました。
3日目:フィールドワークと農業体験
最終日も朝から活動を開始し、学生たちは3つのグループに分かれてフィールドワークを行いました。

早稲沢浜周辺チームは、湖畔で作品の撮影を行ったりドローイングをしたり、足湯で休憩を取りながら、それぞれのペースで自然と向き合いました。

大山祇神社周辺チームは大山祇神社を訪れました。この神社は、磐梯山の噴火によって参道や鳥居の一部が湖に沈んだ歴史を持ち、現在も湖面に立つ鳥居を見ることができます。学生たちは東京ではなかなか目にすることのできない景観を前に、熱心にドローイングや撮影に取り組んでいました。

農業体験チームは、地域の農場でとうもろこしの種まきを体験。秋には、この日植えたとうもろこしが収穫され、北塩原村の物産展を通じて杉並区へ届けられる予定です。作業後にはいちご狩りも体験。採れたてのいちごを味わいながら、地域の方々との交流を楽しみました。畑の畦道や水路といった風景も学生たちにとって新鮮だったようで、写真撮影をしながら普段は接することのない自然環境を満喫していました。

フィールドワークを終えた一行は、隣町の猪苗代町へ移動。河京ラーメン館猪苗代店では、自分好みにラーメンをカスタマイズできるビュッフェを楽しみました。学生たちにも好評で、何度もおかわりをする姿が見られました。
その後は道の駅で買い物を楽しみ、帰路へ。全員無事に東京へ戻り、2泊3日の合宿を終えました。
今回の北塩原村アートツーリズムでは、自然や歴史、文化、地域の人々との交流を通して、学生たちは多くの刺激と学びを得ることができました。短い期間の中で課題の多さに戸惑う学生もいましたが、最終日には「時間をオーバーしてでも描きたい」と最後までペンを走らせる姿が見られました。描きたくなる景色や、時間の流れを忘れてしまう心地よさが、北塩原村にはあったようです。

今後はアート学科それぞれが今回の体験をもとに作品制作に取り組みます。制作された作品は、2026年9月から10月にかけて北塩原村で、2027年1月には杉並区役所で展示を予定しています。北塩原村で出会った風景や人々との交流がどのような作品へと発展していくのか、ぜひご注目ください。


なお、本企画は杉並区・北塩原村・阿佐ヶ谷美術専門学校による連携事業として実施されています。杉並区と北塩原村の「まるごと保養地協定」をきっかけに始まった取り組みであり、今後は杉並区による広報も予定されています。
また、福島県では2026年4月から6月にかけて「ふくしまデスティネーションキャンペーン」が開催されており、本企画も地域の魅力発信につながる取り組みの一つとして実施されました。

ご協力いただいた杉並区の皆様、北塩原村の皆様、誠にありがとうございました。
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北塩原村「まるごと保養地協定」
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