阿佐ヶ谷美術専門学校

美術とデザインの三年制美術学校(東京都杉並)様々なカリキュラムで美術とデザインを学びます。デザイナー、クリエーター、イラストレーター、アーティスト、作家など様々な分野へのアプローチをサポートします。このサイトはRSS配信を行っております。

携帯サイトはこちら

  • 入学者の方
  • 在学生の方
  • 卒業生の方
  • 企業の方

  • 資料請求
  • お問い合わせ
  • サイトマップ
  • 文字を標準にする
  • 文字を大きくする
  • トップ
  • ASABIについて
  • 学科環境
  • 入学案内・見学
  • 学生ライフ
  • 就職・卒業生
  • 情報ステーション
  • アクセス
  • 関連グループ
トップ > 情報ステーション > あさび新聞(全記事数:22) 

情報ステーション

  • トピックス
  • 広報だより
  • 教室だより
  • あさび新聞
  • 告知
  • 教務からの連絡

あさび新聞

   

Vol.22 小鷹拓郎 表示

小鷹さん顔写真
世界の人たちと、いかにコミュニケーションするか。
そのプロセスを記録=映像化するために行動している。


小鷹 拓郎
Takuro Kotaka
アーティスト


【プロフィール】
1984年 埼玉県生まれ
2003年3月 埼玉県立桶川高等学校卒業
2006年3月 阿佐ヶ谷美術専門学校デジタルメディアデザイン科(当時)卒業。卒業制作展にて優秀賞受賞。在学中よりアーティスト活動を開始
2006年 「Tokyo San Francisco art festival」アメリカ
2007年 「MIACA@LUX」イギリス・ロンドン、「Artist as Activist」東京、「Istanbul international film festival」トルコ
2008年 「KITA!! Japanese artist meet Indonesia」インドネシア、「20:20 VANZA Networking session」南アフリカ。「Wait for a Santa」イスラエル
2009年 「ジャカルタビエンナーレ2009」インドネシア
2010年 「オーバーハウゼン国際短編映画祭」ドイツ
世界各国を舞台にした独自のプロジェクト活動を進行中。

kota_3.jpg
kota_2.jpg
kota_5.jpg

ポテトとアフリカ大陸を縦断する作品(小鷹さんのウェブサイトより)

小鷹拓郎公式HP

 アジア、アフリカ、中東などに滞在し、そこでユニークでオリジナリティ豊かなプロジェクトを進行し、そのプロセスを映像に記録する。小鷹拓郎さんはそうして創り上げた映像作品を、世界の美術展や映画祭などで上映し、高い評価を得ている気鋭のアーティストだ。東京・野方にある小鷹さんが経営するリサイクルショップ「こたか商店」にうかがい、様々な話をお聞きした。

「映画が好きだったので、ポスターやパンフレットなど映画関連のグラフィックに興味を持ってアサビに入学しました。しかし、ご存知のように商業的なデザインには制約があります。そこがどうしても自分には合わないと感じた。加えて、いわゆる絵画作品を描くことも、それほど好きじゃないことが分かった。結果的に、今の自分のスタイルに辿り着いたという感じです」

小鷹さんはアサビ在学中から、タイ、インドネシア、マレーシア、シンガポールなど、東南アジア諸国に精力的に出かけていった。特にタイでは有名な首長族の女性に、1年半の時間を費やして宛てた映像型ラブレターを制作した。恋心を伝え続けた映像記録を基に構成したこの「Dear NOZOMI」という作品は、そのまま小鷹さんの卒業制作となり話題を呼んだ。

「学生のとき私は、アート系ではなくWebやコンピュータ系の学科にいました。そこでインスタレーション・映像作品をつくっていたので、少し異端児的な存在であったことは事実です。しかし理解してくれる先生もおり、とても心強かった。卒制を見てくれた美術館関係の方が僕の作品に興味を持ち、発表の場を紹介してくれ、それを機にフィールドが広がっていきました」

アサビ時代の友人とは今も交流があると話す小鷹さんに、最後に学生たちへのメッセージをお願いした。「インドネシアの裸族との共同生活、パレスチナ人たちとサンタをまつ作品、ポテトと一緒にアフリカ大陸を縦断するプロジェクト、河童の捕まえ方を教えてもらうプロジェクト...。僕の作品は、自身の表現ではなく他の誰かと繋がっていくための手段です。それに興味を持ってくれる人たちがいて、さらに繋がりが広がっていく。まずは自分を信じて行動すること、それを何よりも大切にしてほしいと思います」

2010年4月2日


ページ最上部へ

Vol.21 松本 直也 表示

松本さん顔写真
絵画や絵本を創ったり、小説や映画を楽しんだり。
アサビの3年間で、創作の基本を学ぶことができた。


松本 直也
Naoya Matsumoto
マンガ家


【プロフィール】
1982年 兵庫県生まれ
2001年3月 群馬県立前橋東高等学校卒業
2004年3月 阿佐ヶ谷美術専門学校イメージクリエイション科卒業
2005年 第22回ジャンプ十二傑新人漫画賞にて「SPIRITUAL PEOPLE」が最終候補となる
2005年 第27回ジャンプ十二傑新人漫画賞にて、「ネコロマンサー」で十二傑賞を受賞
2006年 赤マルジャンプに掲載された「ネコロマンサー」で、プロのマンガ家としてデビュー
2009年 週刊少年ジャンプ27号に、JG1読切祭参加作として「ねこわっぱ!」を掲載し人気を博す
2009年 週刊少年ジャンプ50号より(〜'10年11号)「ねこわっぱ!」の連載

matsumoto_1.jpg
matsumoto_2.jpg

「ねこわっぱ!」が表紙の週刊少年ジャンプとコミックス。
マンガのキャラクターを描いてくれた松本さん。

少年マンガ誌の中でも、ダントツの発行部数を誇る集英社の週刊少年ジャンプ。松本直也さんはこの少年ジャンプ誌上に、昨年から今年にかけて「ねこわっぱ!」を連載していた期待の若手マンガ家である。猫の神様に育てられた女の子「猫森タマ」を主人公にしたユニークなストーリーは、多くのマンガファンを魅了した。松本さんの仕事場へうかがいお話をお聞きした。

「もの心がついた頃から、マンガは大好きでした。描き始めたのは、小学校1年のときです。当時大好きだったドラゴンボールやウルトラマンなどのパロディマンガを描き始めました。自分で連載マンガを5本ぐらい描き、手づくりのマンガ雑誌を作っていました。理由は、とにかく友だちに読んでほしかったから。小1で、描き手ならではの楽しさを知ってしまったのです(笑)」

中学、高校と松本さんは継続してマンガを描いていたが、どうすればプロのマンガ家になれるのか当時はまったく分からなかったという。そんな中で漠然と美術系へ進もうと考えていたとき、通っていた地元の美術予備校の先生がアサビのことを教えてくれた。それがきっかけで興味を持ち、高校卒業後、松本さんはアサビのイメージクリエイション科に入学した。

「アサビでの3年間は、本当に充実していました。アクリル絵の具で大きなサイズの絵画作品を描いたり、オリジナルの絵本を制作したり。特に絵本のストーリーづくりは、今の仕事にかなり役立っています。学校では同じ夢を持つ友人とも出会え、またマンガ以外の小説や映画などにも興味を持ちました。そうしたすべてのことが、今の自分の糧になっています」

最後に、松本さんに学生たちへのメッセージをお願いした。「最初から指南書やノウハウ本に頼らないほうがいいと思います。描く前に、人の答えを求めてしまってはダメです。やれるところまでやって壁にぶち当たったとき、初めてそうした本を開いてみる。これを面倒だと思う人と前向きに取り組んでいく人とで、この先の結果は相当異なってくるだろうと考えています」

2010年3月19日


ページ最上部へ

Vol.20 三上 宏幸 表示

三上さん顔写真
何ができるのかではなく、何がしたいのかが大切。
それを追求していくプロセスが自分自身の強みになる。


三上 宏幸
Hiroyuki Mikami
映像アーティスト、デザイナー


【プロフィール】
1971年 埼玉県生まれ
1989年 埼玉県浦和市立高等学校卒業(現:さいたま市立)
1992年 阿佐ヶ谷美術専門学校デザイン科卒業
同年、ゲーム製作やWebデザインなどマルチメディア系の業務全般を行うatomに入社
し、CD-ROMゲームの開発などを担当。
1999年 3DCG系の仕事に専念すべく株式会社ナムコに入社。PS2用のソフト「鉄拳タッグトーナメント」の専門チームに配属。オープニングムービー、背景セット、エフェクトなどハイエンドなCG技術を駆使した仕事に携わる。
2003年 独立して有限会社ミライデザインを設立。現在、映像アーティストおよびデザイナーとして、イベント映像およびプロモーション映像を数多く手掛けている。

mikami_2.jpg
mikami_4.jpg
mikami_6.jpg

©東京ガールズコレクション
©Tiffany

いま日本で最も活気のあるファッションイベントとして、春と秋の年2回開催されている「東京ガールズコレクション」。三上宏幸さんは、この大人気イベントのステージ上に映し出される、華やかな映像作品をすべて手掛けている気鋭の映像アーティストである。東京・下北沢の閑静な住宅街の一角にあるオフィスにうかがい、様々なお話をお聞きした。

「東京ガールズコレクションに関しては、2005年に開催された第一回目からオープニング映像、参加する全ブランドの映像およびVJ(ヴィジュアル・ジョッキー)を行ってい ます。知り合いの演出家から、舞台で流す映像製作を依頼されたのがきっかけです。そこでゲーム業界で培ってきたCG技術を駆使してつくったところ、非常に高い評価をいただき現在に至っています」

それ以外にも三上さんの仕事は、ファッション系イベント"it girls"、鈴木亜美のコンサート映像、新車発表会でのプロモーション映像など多岐にわたる。あらゆるジャンルに精通した技術と知識と感性、そして飽くなき探究心を映像に具現化するエネルギッシュな姿勢は他の追随を許さない。そんな三上さんに、アサビ時代の思い出を語っていただいた。

「アサビでは映像とコンピュータとイラストレーションを専攻しました。もともとコンピュータが大好きだったのと、ちょうどマックが急速に進化する時代だったことが重なり、とにかく本当に楽しかった。ヒマがあればコンピュータ室でマックを操作していましたね。卒業制作は、都庁がロボットに変形する特撮物をつくりました。映像やデジタル系の先生方には、いろんなことを教わりました」

最後に、三上さんに学生たちへのメッセージをお聞きした。「何ができるかではなくて、自分は何がやりたいのかを追求してください。たとえ実現不可能なことでも、どれだけ強い思いを抱けるかが重要だと思います。アサビは他の専門学校と違い3年制なので、自分の方向を絞り込むための時間も長い。学べる選択肢の幅も広いので、その中から自分の進むべき道を見つけてください」

2010年1月21日


ページ最上部へ

Vol.19 いのうえ よしひろ 表示

いのうえさん顔写真
イメージクリエイション科の一期生として、
自由な雰囲気の中でデザインと美術を学ぶことができた。


いのうえ よしひろ
Yoshihiro Inoue
アートディレクター


【プロフィール】
1970年 神奈川県横浜市生まれ
1991年 セツ・モード・セミナー卒業
1994年 阿佐ヶ谷美術専門学校イメージクリエイション科卒業。
アサビ卒業後、2つのデザインプロダクションで経験を積んだ後、2002年10月、友人と二人で有限会社ジョット・グラフィカを設立。現在、CD、DVDジャケットのグラフィックワークを中心に、関連する販促物、コンサートグッズのデザインなど幅広く活動。音楽関係以外にも、アパレルブランドのカタログ制作や飲食店のロゴ制作なども手がける。また2003年から2004年にかけて、阿佐ヶ谷美術専門学校視覚情報デザイン科(当時)の講師としてイラストレーションの授業を担当するなど、後進の指導にも尽力。


【以下の写真をクリックすると大きな画像が見られます】

作品1 作品2 作品2

写真左より
■9mm Parabellum Bullet / Black Market Blues e.p.
Capitol Music Co. / EMI MUSIC JAPAN
■木村カエラ / GO!5!KAELAND
Columbia Music Entertainment
■YUI / It's all too much / Never say die
Sony Music Records Inc.

恵比寿駅から駒沢通りを東方向へ進み、代官山方面へ少し坂を上がった場所。いのうえよしひろさんのデザイン事務所・ジョット・グラフィカが入る建物が見えてきた。近隣にはアパレル系の会社やお店も多く、都会的な雰囲気が漂う。いのうえさんは「木村カエラ」「YUI」「いきものがかり」など、人気ミュージシャンたちのCDジャケットを手がけているアートディレクターだ。

「ジャケット制作の場合、ミュージシャン本人を交えた打ち合わせとなり、楽曲のコンセプトを聞くことからスタートします。それらは明確な言葉というよりもイメージに近いことのほうが多いので、その解釈に幅を持たすのが大切。通常、複数案をプレゼンしながら方向性を絞っていきます。」

井上さんは独創的なアイデアについて、「打ち合わせの最中にフッと浮かぶこともありますが、自宅でリラックスしているときにひらめくことのほうが多いです」と話す。休日に街を歩いているときに、「何気なく立ち寄った場所に触発されて、頭の中にあったアイデアが具体化することもあります」とも。忙しい時期には、同時に何本もの仕事を進めていることもあるという。

「僕はイメージクリエイション科の一期生だったのですが、とても自由な雰囲気の中で勉強ができたことが印象に残っています。先生たちもフランクな方が多く、僕たち学生との距離も近かったですね。映像を教えてくれたニシモトタロウ先生からは、映像関連の仕事の手伝いもさせていただき、とてもいい経験ができました」と、いのうえさんはアサビ時代を振り返ってくれた。

最後に、いのうえさんに学生たちへのメッセージをお聞きした。「僕は学生のとき、興味を持ったものはすべてスクラップブックにファイリングしていました。そうすることで、自分は何が好きなのか、何がやりたいのかが見えてきました。極論を言えば、世の中にはデザインされていないものはありません。しかし、それぞれの完成度の差は確実に存在します。だからこそ収集し、整理し、分析することで、自分が求める核心部分が見えてくるんだと思います」

2009年9月29日


ページ最上部へ

Vol.18 渡辺 健 表示

渡辺さん顔写真
企業や商品が発信する情報を的確に伝える
それが王子製紙デザインセンターの役割です。


渡辺健
Tsuyoshi Watanabe
アート・ディレクター


【プロフィール】
1956年 神奈川県生まれ。
1975年 茨城県立下妻第一高等学校卒業
1980年 阿佐ヶ谷美術専門学校ヴィジュアルデザイン科(現:視覚デザイン科)卒業
同年4月 パッケージデザインを専門とする杉デザイン研究所に入社
1983年1月 本州製紙株式会社にパッケージデザイナーとして入社
1996年 本州製紙株式会社と新王子製紙株式会社が合併、王子製紙株式会社に。
渡辺さんは同社デザインセンターのデザイナーとなる。
現在は、デザインセンターのアートディレクターとして、デザインに関する企画制作業務に携わる。クライアント企業などへのプレゼンテーションを行う一方で、グループ会社のデザイン業務も担当している。


【以下の写真をクリックすると大きな画像が見られます】

作品1 作品2

東京・銀座に本社を置く王子製紙は、創業1873年(明治6年)という長い歴史を持つ日本最大の製紙会社である。新聞用紙や出版・印刷用紙をはじめ、多種多様な紙を主要製品として取り扱っている大手企業だ。渡辺建さんはこの王子製紙の社員であり、現在、同社デザインセンターのアートディレクターとして、様々な商品の幅広いデザイン業務を担当している。

「実は、製紙会社でデザイン部門を持っているのは王子製紙だけです。その強みを活かしながら、多彩な仕事を行っています。IRをはじめ王子製紙自体のイメージの構築、王子製紙グループ企業のCIやBIなどのブランディング、パッケージデザイン、グラフィックデザイン、Webデザイン、展示会プロデュースなど、企業や商品の"顔創り"が私たちの仕事です」

紙の会社である王子製紙は、農水産物などを入れて運ぶための段ボール製作のニーズも多い。必然的に、渡辺さんにも段ボールケースを中心とする紙器などのデザイン制作依頼が多くなる。実はいま、渡辺さんの下にはアサビを卒業した3名の契約デザイナー(下記参照)がおり、渡辺さんをはじめとするディレクターの指示のもと、日々、斬新なデザインを生み出している。

「アサビ出身のデザイナーは男性一人、女性二人なのですが、非常に優秀な人が集まってくれて本当に助かっています。クライアントの要望を確実に具現化しながら、常により魅力的なデザインを提案できるためクライアントの評判が良く、デザインの決定率も高くなっています」と渡辺さん。それを裏づけるように、今年の"日本パッケージデザイン大賞"において2つの賞を受賞している。

最後に、渡辺さんに学生たちへのメッセージをお聞きした。「アサビの授業で生活に身近なパッケージデザインに興味を持ち、卒業後も一貫してパッケージデザインの仕事に携わってきました。継続して追求するだけの価値や面白さが、パッケージデザインにはあるのだと考えています。それから、私は来年で卒業30年になりますが、いまも同級生や先生たちと交流があります。そうした人と人の繋がりの部分も、アサビならではの魅力であると思っています。」


2009.09.29

作品写真左
渡辺さんがディレクションしたパッケージデザイン「日本パッケージデザイン大賞2009」受賞作品 【現在、王子製紙で活躍するアサビ出身のデザイナー】
鈴木暁貴さん〈2004年スペースデザイン科卒〉
朝妻典子さん〈2007年視覚デザイン科卒〉
小林由起子さん〈旧姓:木ノ下、2009年デザイン科(プロダクトデザイン専攻)卒〉


ページ最上部へ

Vol.16 乙津 智代子 表示

乙津さん顔写真
いろいろな刺激を受けて、チャレンジしてみる。
それが一人ひとりのデザイナーのバックグラウンドになると思う。


乙津智代子
Chiyoko Otsu
パッケージデザイナー


【プロフィール】
1983年 東京都生まれ
2002年 東京都立東大和南高等学校卒業
2005年 阿佐谷美術専門学校スペースデザイン科(プロダクトデザイン専攻)卒業
同年、プラスチックのブロー成形技術を駆使して、パッケージやボトルの新しい形をマーケットに提案する企業「本多プラス株式会社」(本社:愛知県新城市)にデザイナーとして入社。
入社後、同社の東京クリエイティブオフィス勤務となる。
現在、チーフデザイナーとして化粧品などのパッケージやボトルデザイン、それらを入れ込むペーパーボックス(紙箱)のデザイン、さらには関連する商品パンフレットなどのグラフィックデザインまで幅広い業務に携わっている。


【以下の写真をクリックすると大きな画像が見られます】

作品1 作品2

東京都港区南青山。青山通りから骨董通りに入り、程なくいったところで右折した閑静な一角に建つ建物の中に、本多プラスの東京クリエイティブオフィスはある。デザイナーの乙津智代子さんは、このオフィスで同社の得意とするプラスチックのブロー成形によってつくられる各種容器やパッケージのデザイン業務を担当している。

「会社としては化粧品、医療品、文具、工具など、様々な商品のプラスチック製パッケージを企画・開発・製造しています。樹脂の素材開発も行っており、受注品・規格品からオリジナル品にも対応しています。ブロー成形というのは、簡単に言うと空気の圧力を使って樹脂を膨らませる技術のことです。私は入社以来、主に化粧品やヘアケア製品のパッケージデザインを行っています。」

本多プラスはデザイン力を兼ね備えたメーカーとして業界内外に知られているが、実は乙津さんがデザイナー職として初めて入社した社員だった。それだけに「この4年間は試行錯誤の連続であり、その中で経験を積んできた」と話す。よりよいデザインを生み出すデザイナーとしての仕事に加えて、自社製品の有効活用や見積り作成、納品管理まで1つの仕事に総合的に携わることで、クライアント企業の要望により効率的に、そして的確に応えている。

「もともと、アサビに入った時点ではグラフィックデザインに興味がありました。しかし、1年生ときに合板で椅子をつくる授業があり、そこでモノづくりのおもしろさを知りました。また、どこからが"座る"という行為なのかといった、椅子の概念を考えることもとても興味深かったです。いまは女性がきれいになるための化粧品のパッケージをつくっていますが、様々な視点や角度から思考していくことなど、アサビで学んだことはとても役に立っています」

最後に、乙津さんに学生たちへのメッセージをお聞きした。「デザインを生み出すには、できるだけ広いバックグラウンドがあったほうがいい。ですから、学生のうちにいろんなことから刺激を受け、興味のあることには積極的に取り組むべきだと思います。それからデザインの仕事は納期が絶対厳守です。これは会社の信頼にも関わることですので、しっかりと理解しておきましょう。後は、いかにやる気を持続させるかだと思います」

2009.05.25


ページ最上部へ

Vol.17 桾澤 勇 表示

桾澤さん顔写真
造形の基礎をしっかりと学んでおくことは、
CG制作に不可欠なことだと思います。


桾澤勇
Isamu Gumizawa
CGクリエイター


【プロフィール】
1983年 東京都生まれ
2002年 東京都立光丘高等学校卒業
2005年 阿佐谷美術専門学校デジタルメディアデザイン科卒業 同年7月、日本テレビ放送網株式会社の映像制作関連のグループ会社、株式会社NTV映像センターの制作技術局ポスプロセンターCGに入社。入社後、日本テレビ放送網株式会社 技術統括局コンテンツ技術部CGに派遣、バーチャル制作班に配属。
2007年2月、株式会社NTV映像センターは株式会社日テレ・テクニカル・リソーシズに社名変更。桾澤さんは同社のCGクリエイターとして、日本テレビで放映している様々な番組内で使用するオンエアCG制作業務に取り組む。


【以下の写真をクリックすると大きな画像が見られます】

作品1 作品2 作品2

東京・汐留にある日本テレビの本社=日テレタワー。この高層ビル内にあるバーチャル工房では、テレビ番組内で使うコンピュータ・グラフィックス(CG)の制作および合成・演出を専門に行っている。桾澤勇さんは株式会社日テレ・テクニカル・リソーシズから日本テレビの制作技術センターコンテンツ技術運用部に出向し、各種生番組内で使用するオンエアCG制作を担当している。

「主な担当番組はお昼の"おもいッきりDON!"、夕方の"NEWSリアルタイム"、深夜の"NEWS ZERO"など。その他、特別番組などのCGも手がけています。テレビカメラで撮影した人物などの実写と、デザイナーとの共同作業で作ったCGを、リアルタイムで合成して放映する。実写では表現できない映像もCGを用いることで、視聴者の方々により分かりやすく、より楽しく伝えることができます」

3歳年上の兄がアサビでCGの勉強をしていたため、「もともと興味のあったCGを、身近に感じることができた」と桾澤さん。自身もCGを学ぶべくアサビに入学した。アサビの1年次は専攻学科に分かれず、幅広いデザインや美術の知識が学べるのが特徴。「銀塩カメラでの撮影・現像の授業は面白かった。アサビでなければ絶対に体験しなかったと思う。また、フラッシュやJAVAスクリプトなどの操作は、現在のCG操作画面の制作に役立っている」と話す。

入社のきっかけは、就職活動をしていたときにNTV映像センター(当時)から学校に来た求人票。「フォトショップが使えることが条件でした。これはチャンスだと思いポートフォリオを持って面接へ。お話をうかがうと、一番やりたかったCG制作の仕事もあると聞き、驚きました」と桾澤さん。入社後、程なくして日本テレビへ派遣され念願のCG制作業務に就いた。

最後に、桾澤さんに学生たちへのメッセージをお聞きした。「いま私は、XSIという3Dソフトを駆使してCGを制作していますが、コンピュータの機能だけに頼ってしまうと、どうしても納得のいくCGはつくれません。絵を描いたり粘土で形をつくったり、学生時代に造形の基礎をしっかりと学んでおくことが大切だと思います。テレビ番組で使うCGも、その延長線上にあるものなのです」

2009.06.20

作品写真左から
「NEWSリアルタイム」のバーチャルセット
特番「モンクの叫び」のCGキャラクター


ページ最上部へ

Vol.15 安藤 智良 表示

安藤さん顔写真
デザインは理念だと思う。
デザイナーの経験やものの見方、そのすべてが表現される。


安藤智良
Tomoyoshi Andou
ブックデザイナー


【プロフィール】
1976年 埼玉県生まれ
1995年 埼玉県立大宮光陵高等学校卒業
2005年 阿佐ヶ谷美術専門学校視覚情報デザイン科卒業
同年、ブックデザイン界の著名人・祖父江慎氏率いるデザイン事務所コズフィッシュに就職。
書き手と読み手の架け橋となるブックデザイナーとして、数多くの本の装丁に携わる。
同時に、ポスターなどのグラフィックデザインも手がける。デビュー作は「ミッフィー展」カタログ。代表作は、香川県にある地中美術館の「地中ハンドブック」、「講談社ミステリーランドシリーズ」、「大回顧展 モネ」カタログ、「アーツ&クラフツ展」カタログ、「プラド美術館展」の広告全般など多数。


【以下の写真をクリックすると大きな画像が見られます】

作品1 作品2 作品2

私たちが日常的に足を運ぶ書店の棚には、当たり前のことだが膨大な量の本が並んでいる。その中から自分が読みたい一冊の本を選ぶとき、装丁をはじめとするデザインの力が大きく作用する。思わず手に取りたくなる表紙、ページ毎に魅了されるレイアウトなど...。コズフィッシュでブックデザイナーとして、日々、幅広い仕事をこなしている安藤智良さんにさまざまなお話をうかがった。

「もともとブックデザインが大好きでした。10代の頃に出会い、強く心に残っているものが2冊あります。1つが『白いメリーさん(中島らも著)』、これは大御所の日下潤一さんの手によるもので、文字組にまで恐怖を感じたほどです。もう1つが『感染るんです。(吉田戦車著)』で、これは私の師匠である祖父江慎さんのデザイン。常識を覆した、それまでにない強烈な個性を感じました」

グラフィックデザインの道を目指し美大受験に望んだ安藤さんではあったが、残念ながら受験には失敗。苦手な英語の結果により一次試験で落とされてしまい、得意な実技試験が受けられないまま不合格になったことがどうしても納得できなかった。そのため徐々にデザインや美術の世界から離れていき、アルバイト生活へ。しかし、このままではいけないと一念発起、26歳で美術予備校時代に知ったアサビに入学した。

「アサビに決めたのは、一般科目が他校よりも充実していたからです。卒業時に29歳になってしまう私には、もう後がありません。あらゆるものを吸収し、仕事につながるものをつかもうと、必須単位の倍以上を取りました。違う学科の授業にも興味を持ち、出席し続け課題を出したことも。担当の先生からそこまで勉強がしたいのならと、特別に一般科目扱いにしてもらいました。絵画科の人たちしかいないテンペラ画の授業も受けました」

最後に、安藤さんに学生たちへのメッセージをお聞きした。「デザインは、ありとあらゆるものを取り込まなければなりません。そういう意味で私は、デザインは理念だと考えています。デザイナーの中にどれだけいろんな経験、ものの見方があるか。それが全部現れるものです。だから、時間のある学生時代に、興味のあるものをできるだけたくさん見たり、聞いたり、読んだりして、知識や見聞を広げることが、とても大切なことだと思います」

2009.01.29


ページ最上部へ

Vol.14 酒井 裕之 表示

酒井さん顔写真
消費者の心を捉えることをコンセプトにした、
訴求力・競争力の高いパッケージデザインを生み出す。


酒井裕之
Hiroyuki Sakai
パッケージデザイナー


【プロフィール】
1960年 山形県生まれ
1979年 山形県立鶴岡工業高校卒業
1982年 阿佐谷美術専門学校デザイン科卒業
1984年 有限会社矢沢デザインスタジオに入社
同社は現在、キリンビール、キリンビバレッジ、小岩井乳業、エスビー食品、ロッテ製菓、ポッカコーポレーションなど数多くのメーカーが販売する商品のパッケージデザインやCI、BI開発などを中心に行っているデザイン会社。
酒井さんは入社以来、そうした食品および飲料メーカーのパッケージデザインに継続して携わる。現在は、同社チーフデザイナーとして、市場で高い訴求力・競争力を発揮するデザインを制作している。社団法人 日本パッケージデザイン協会会員。


【以下の写真をクリックすると大きな画像が見られます】

作品1 作品2 作品2

JR原宿駅を降り、駅前にある歩道橋を渡り表参道の向こう側へ。めざす矢沢デザインスタジオは、1960年代に建てられた原宿のランドマークともいえる大きな建物の中にある。酒井裕之さんは同社のチーフデザイナーとして、幅広い企業のパッケージデザインを手がけている人物だ。送り手である企業と受け手である消費者をつなぐ大切なコミュニケーション手段として、パッケージデザインに求められる役割は年々その重要性を高めている。

「私が入社した頃は、パンフレットやポスター、広告などのグラフィック制作も行っていましたが、キリンビールのパッケージ依頼を受けてから、次第にパッケージデザインの仕事が増えていき、現在ではほぼパッケージ専門のデザイン会社として機能しています。直接クライアント企業から依頼される仕事もありますが、ほとんどがパッケージの印刷を行う大手印刷企業からのデザイン依頼が多く、そのためコンペ(競合)を勝ち抜くデザイン力が求められます」

酒井さんが、今まで手かげた仕事の作品を見せていただいた。トロピカーナの100%ジュース、ロッテのクーリッシュ、小岩井のビール酵母ヨーグルト、キリンの力水、S&Bのレトルトカレー(カツカレー、ビフテキカレー、給食カレーのシリーズ)など、どれもスーパーやコンビニの売り場で見たことのある商品ばかりだ。ロッテのクーリッシュには夏バージョンと冬バージョンがあり、毎年デザインを変更しながら、消費者の心をつかむデザインをつくっているという。

「父親はある機械メーカーの宣伝部で、その後独立してパンフレットやポスターなどを手がける会社をおこしました。デザインの道を志したのは、そんな父親の影響が大きいと思います。アサビの学生時代で印象に残っているのは、タイポグラフィやレタリングの授業。パッケージデザインももちろんそうですが、文字のデザインというのはコミュニケーションの基本となるものです。アナログの時代に、文字を1つ1つ手で詰めていったことも自分の糧になっていると思います」

最後に、酒井さんに学生たちへのメッセージをお聞きした。「大量の商品が並べられた売り場で、消費者の心を捉え、実際に手にとってもらい、購買につなげること。これがパッケージデザインに課せられた役割です。通常のグラフィックデザインとは、また違う視点や展開が要求されます。特に食品の場合は、やはりいかに美味しく見えるかが重要。商品名を的確に伝えることも必須です。商品コンセプトを理解して、最も適したデザイン表現を構築することが大切です」

2008.10.20


ページ最上部へ

Vol.13 パリコ 表示

paricoさん顔写真
イラストレーションで大切なのは個性
それを見つけるには、たくさん描くことが必要だと思います


パリコ
parico
イラストレーター


【プロフィール】
1985年 神奈川県生まれ。本名、坂川真梨子(さかがわまりこ)
2003年 新座総合技術高等学校 服飾デザイン科卒業
2006年 阿佐ヶ谷美術専門学校 視覚デザイン科卒業
在学中よりアートイベント「デザインフェスタ」への参加や、個展・グループ展などを積極的に行う。現在、フリーランスのイラストレーターとして活躍。 主な仕事として、NTTドコモ「デコメiとり放題」・デコメール、MamoR(扶桑社)・占いページ挿絵、レコログ・ブログ本表紙、バンダイナムコゲームス・花吹雪シリーズ(プリクラ)スタンプなど、メディアにとらわれない多彩な活動を展開中。アサビの教材およびパンフレットのイラストレーションも描いている。


【以下の写真をクリックすると大きな画像が見られます】

作品1 作品2 作品2
左より
デコメール作品 ©寺島情報企画
「宇宙百貨」で発売されているイラスト入りのグッズ


NTTドコモの携帯電話のデコメールで利用できる画像を配信するiモードサイト「デコメiとり放題」。paricoさんは、このサイトからユーザーがダウンロードできる、バラエティ豊かなイラストを描いているイラストレーターである。彼女の仕事のフィールドはそのほかにも各種雑誌やブログ本、お店やWebショップで販売されている各種グッズのイラストレーションなど多岐にわたっている。

「現在のテイストの基盤となったイラストを描き始めたのは、アサビの2年生のときからです。在学中に2回ほどデザインフェスタに参加し、動物や女の子など、キャラクターイラストを出品しました。そこでドコモの仕事をしている会社のアートディレクターさんが、私の作品を見て気に入ってくださり、それが本格的にお仕事としてイラストを描き始めるきっかけとなりました。毎回テーマをいただいてから、それに合ったイラストのデコメールを作っています。」

こうしてparicoさんは、アサビ在学中からプロのイラストレーターとしての道を歩むことになる。その他に、雑誌用のイラストレーションも手がけている。たとえば、防衛省・自衛隊の広報誌「MamoR(マモル)」の占いコーナーに描く、自衛官をモチーフに可愛らしくデフォルメしたキャラクターだ。これなどは一般にはわかりにくい専門的な分野ではあったが、paricoさんは元自衛官の父親からアドバイスを受け的確なイラストを描いている。

また、paricoさんは「宇宙百貨」というお店で販売されているさまざまなグッズ(商品)用のイラストも手がけている。「このお店は女の子のための個性的なグッズを扱っています。私はTシャツ、トートバッグ、ビーチサンダル、体重計、フォトアルバム、メモ帳、バッジ...、本当にたくさんの商品のイラストを描かせてもらっています。実際の店舗でも、インターネットでも購入可能です。サンプルがいただけたりして、このお仕事をして一番喜んでいるのは、多分うちの母親ですね(笑)」

多彩な活躍を続けるparicoさんに、後輩へのメッセージをお聞きした。「私の場合、アサビでイラストの授業を受け持っている小沢先生に会えたことが大きかったです。先生の紹介でいろんな方向へ広がっていき、それが実際の仕事につながっています。仕事をいただくたびに、必ず、積極性と人との繋がりがすごく大切なのを思い知ります。また、イラストを描く上で一番大事だと思うのは個性です。絵の上手下手はありますが、下手でもおもしろかったり、それが素敵だったりします。そのためにもたくさん描いて、まずは自分の個性を見つけることが重要だと私は考えています」

2008.09.20

barcodeparicoさんのかわいいデコメをゲットしよう!


ページ最上部へ

   

このページの記事一覧
ページごとに10件を表示

  • Vol.22 小鷹拓郎
  • Vol.21 松本 直也
  • Vol.20 三上 宏幸
  • Vol.19 いのうえ よしひろ
  • Vol.18 渡辺 健
  • Vol.16 乙津 智代子
  • Vol.17 桾澤 勇
  • Vol.15 安藤 智良
  • Vol.14 酒井 裕之
  • Vol.13 パリコ
あさび新聞の記事は、22件あります。全ての記事一覧はこちら。

更新情報
  • 休講:7/7(水)5限「美術作品を楽しむA」(中山)
  • Salle de Recreation 元木孝美氏グループ展
  • Vol.22 小鷹拓郎
  • 休講:7/3(土)1/2限「シルクスクリーンワークショップF」(馬場)
  • 休講:7/2(金)1/2限「シルクスクリーン版画F」(馬場)
最新トピックス
  • 中村真舟さん雑誌「PARFUM(パルファム)」で活躍中
  • 3×8 "MO" アサビ生3人が参加するグループ展
  • CRAWL vol.08 イラスト展示会開催!
  • 3331 Arts Chiyoda GRAND OPENING
  • 鳥がチーズを食べる FA科5人展


 
  • トップページ
  • お問い合わせ・資料請求
  • 著作・免責
  • 個人情報保護について

当サイト内全ての掲載記事・写真・作品等は阿佐ヶ谷美術専門学校に帰属します。 転載・複製などの利用には当校の許可が必要です。また、サイト内の画像への直接リンク(他サイトへの投稿や書きこみを含む)を禁じます。

©2010 ASAGAYA COLLEGE OF ART AND DESIGN - All Rights Reserved.  Valid XHTML 1.0! rdf