
2025年6月7日から9日にかけ、アート学科のイメージクリエイション(IC)コースと絵画表現コース(FA)の3年生を対象とした合同合宿が、福島県北塩原村で実施されました。杉並区、北塩原村、阿佐ヶ谷美術専門学校の三者連携によって実現したこの合宿には、学生25名とスタッフ8名が参加し、コースを超えた交流と地域との連携を深める貴重な機会となりました。
1日目:自然と芸術に触れる裏磐梯
合宿初日は、北塩原村の景勝地である桧原湖での遊覧船クルーズからスタート。磐梯山の噴火によって形成された桧原湖から、学生たちは裏磐梯の美しい風景を熱心に撮影しました。午後は、サルバドール・ダリの作品を多数収蔵する諸橋近代美術館を見学し、芸術鑑賞を楽しみました。夜は民宿に宿泊し、美味しい夕食と花火で親睦を深めました。2日目:農業体験と地域連携ワークショップ
2日目は、地元の農場「あいばせ」で農業体験を行いました。ビニールハウス周辺の除草作業やメロンハウスの準備を手伝う中で、学生たちは東京では珍しいカエルやトカゲとの出会いに大興奮。遊び心を持ちながらも手際よく作業を進め、農場のスタッフを驚かせていました。作業後には、あいばせのお米やジャムを景品としたじゃんけん大会で盛り上がりました。午後は、各コースに分かれて活動を実施。絵画表現コースは、展望台や神社などで風景スケッチを行い、実際の風景を前にして描く貴重な体験をしました。一方、イメージクリエイションコースは、地元の子どもたちを招き、オリジナルの筆を作るワークショップを開催。昨年度の「社会とアート」の授業で企画・実施した経験を活かし、学生たちは子どもたちに筆の作り方を教え、一緒にものづくりを楽しみました。
宿泊は曽原湖畔のホテル。学生たちは湖でのアクティビティや部屋での制作活動など、思い思いの自由時間を過ごしました。夕食は北塩原村・杉並区の関係者とのバーベキューで、交流を深めました。
3日目:フィールドワークと今後の展望
最終日となる3日目は、学生たちが持参・制作した作品を手に、五色沼やホテル周辺でフィールドワークを実施。撮影や記録に熱心に取り組みました。その後、一行は喜多方市に移動し、名物の喜多方ラーメンを堪能。全員無事に東京へと戻りました。今回の合宿は、豊かな自然の中での多様な体験を通じて、学生たちの作品制作への視野を大きく広げました。今回の体験をもとに制作される平面作品は、9月に杉並区役所で、11月からは北塩原村の各所で巡回展示される予定です。
これまでコース内の交流を主な目的としていた合宿ですが、今年はコースを超えた交流、そして地域との関わりを生む学外展示へとつながる大きな一歩となりました。今後も合宿にとどまらず、さまざまなイベントや展示を通じて、学内外のつながりを広げていく予定です。