ハンドクラフト「陶芸」にリビングプロダクトデザイン科が挑戦。

春休みで静かな校舎。
学生の姿はないかと思いきや、リビングプロダクトデザイン科の学生が集まって何か作業をしている様子。
何をしているのか?のぞいてみれば、粘土をこねて、空気を抜き、固さを均一にするための工程「土練り」の最中でした。
3月とはいえ、まだ寒く粘土も冷たいですが、春休みに集まって1つの机を囲み粘土と向き合う学生の姿は楽しそうです。
練った粘土を使って手びねり(手動ロクロ台使用。円だけでなく四角や楕円など自由な形を作れる)で制作する学生さんもいれば、電動ロクロに挑戦する学生さんも。(電動ロクロは使いこなせると手早く綺麗な円形を制作できる) チャレンジして漏れた一言は「難しい…」
電動ロクロは最初に台の中心へ粘土の塊を置くことと、粘土がある程度柔らかくなっていないと、ロクロを回した際に力を均等にかけられないので形を作るのが難しいようです。指導にあたっていた房助手さんが手伝って円形にしてくれました。

各自、思い思いの形を作りあげて、1週間ほど「自然乾燥」と「素焼き」の工程を経て「釉薬」をつけていきます。
焼く前と後では釉薬の色が変化してしまうのですが、工房には「カラフルで見ていると自分も陶芸をやりたくなる!」こと請け合いの「助手さんお手製・釉薬の色見本」があるので仕上がりも予想しやすいです。

さて、作り始めの3月1日からasabiのTwitter(#阿佐ヶ谷美術専門学校 #陶芸 で検索できます)でも途中経過をご紹介してきましたこの陶芸、自然乾燥や素焼きなどの工程を経て、焼きあがったのは18日。ちょうど焼き上がったタイミングに立ち会うことができたので、窯から取り出すところも写真に収めさせてもらいました。
この窯。一見小さく見えますが、棚板を使い重ねて焼く事ができるスグレものでした。
「桜」の花びらをモチーフに花弁に淡いピンクの釉薬を上品にのせた5枚で1揃いのお皿や 釉薬を黒々とのせたカップなど、日常生活に彩りを添えてくれる作品が焼き上がりました。
「リビングプロダクト」というと、家具や空間デザインをイメージしますが、茶碗やスプーンなど身近な生活雑貨なども専攻範囲です。
昨年リビングプロダクトデザイン科では、使う人に優しく楽しいデザインについて考えるきっかけに、中庭に畳敷きの茶室をしつらえて、お茶の先生をお招きし、自分で作った茶碗で抹茶を点てていただき、その使い心地を体感し、考えるというユニークな授業が行われました。
今年はどんな授業が学生たちを待っているのか、楽しみです。
2017/03/24